料理の言い訳
私は料理があまり上手ではない。
得意じゃないから、好きじゃない。
でも結婚したからには、美味しいって言われたいし
自分も美味しいものを食べたい。
材料費のコスパを計算し
健康成分を考え、美味しくなれと鍋に向う。
昔、絵本で見た薬草を煮込む魔女を思い出す。
私:「料理を作っていると、魔女みたいだと思わない」
彼は首を傾げながら、鍋の中身を確認する。
彼:「そうなの。僕は魔女見たことないけど」
私:「私も見たことはないけど」
私はゆで卵を3回に1回の確率で失敗する。
上手く向けなくて表面の白身がボロボロになるのだ。
ちゃんとゆでた後に冷水でしっかり冷やしたのに。
その卵を旦那が凝視している。
私:「ゆで卵が上手くできなくて、恐竜の卵みたいになった」
彼:「そうなの。僕は恐竜の卵を知らないけど」
私:「私も知らないけど、イメージで」
こんな私なので
どんどん料理の自信がなくなる。
作れば作るほど向いていないことだけがわかる。
私:「料理が上手くできなくてごめんね」
彼は優しい口調で
彼:「そんなことは、言えないよ」
と言った。
「そんなことないよ」と似ているが、意味は全く違う。