鼻歌
私は気分が良いと歌を口ずさむ。
歌詞をしっかり覚えてないので、
なんとなくうろ覚えの歌詞と鼻歌でメロディーラインをふふーんとなぞる。
彼:「そこの、歌詞違うんじゃない?」
私:「歌詞は適当だよ。その時の気分で変わるし
母音とメロディーはほぼあっていると思うけど」
と私が答えると、信じられないと彼は驚愕していた。
彼:「今の、もののけ姫の歌だよね」
私は頷きながら、メロディーは合ってるということを知る。
彼:「出だしは『はりつめた弓の』だよね。
そこ『ありふれた日々の』って歌っていたよ」
私:「そうかも。私、弓を引かないしね」
少しの歌詞の間違いでも気になる彼は言葉を失う。
自分の生活や気持ちで勝手に歌詞を変え
歌詞が思いつかない時は鼻歌に変え
それを気分よく歌っている私を理解できないらしい。
彼は続きの作業をするためイヤホンをする。
音楽を聴きながらするほうが集中できるらしい。
私が集中する時は無音がいい。
でも、気になる。
癒し系なのか、集中にいいクラシックとかかな。
もっと集中できるように彼の聞いている曲を聞いてみる。
私:「何を聞いているの?」
彼:「わからない音楽」
私:「???」
彼が言うには音楽を聞いて周りの余計な音をシャットアウトするらしい。
邦楽はもちろん、洋楽も意味が分かってしまうので
意味の分からない言葉のわからない音楽をかけているという。
今度は私が言葉を失う。