結婚指輪
昨年の6月に結婚してもう9ヶ月たつのに
結婚指輪はまだない。
結婚前に決めていた憧れのブランドが
ひとつだけあって彼をそこに連れていく。
結婚指輪はずっとするので
邪魔にならないシンプルなものを探す。
お店で指輪を探しながら
職人のミル打ちがすごい指輪を発見。
覗き込んでいると
上品な店員さんが対応してくれる。
店員:「このデザインが綺麗ですよね」
そのまま指輪を出して、私の薬指にはめてくれる。
私がうっとりしていると店員さんが話をつづけた。
店員:「このギザギザがギザ10みたいで素敵ですよね」
え⁉ギザ10に例えるって、すごいショック。
あまりの衝撃に店から彼とあわてて出る。
彼は笑いをこらえている
彼:「ギザ10って言われたら、もうそれにしか見えない。
しかも10円玉にギザギザがあったって知っている人少ないよ」
私はうなだれるしかない。
そこから何店舗回っても
結婚指輪を決めかね、現在に至る。
彼:「そもそも結婚指輪を毎日つけるの?
僕は必要に応じてするからね」
私:「指輪ってずっとするものじゃないの?」
私の周りでは
仕事に支障がなければ
家族だって友人だってみんな24時間してるんだけど。
慌ててインターネットで調べてみる。
男性も女性も毎日つける人は
半数もいないことを初めて知った。
理想が粉々に砕かれた私は
もうどうしていいか考えるのが面倒になる。
消費税が10%になる前には買おう
今はそれが二人の合言葉になっている。