共洗い
お休みの日
二人でのんびりお家カフェをしていた。
緑茶のつぎは紅茶を飲もうと
クッキーをテーブルへ並べる。
内側が白で赤い小花がランダムに描かれ
淵には淡い黄色のラインが引かれている。
紅茶の色が綺麗に見えるデザインなのだ。
カップの口は広く、浅いので
紅茶の香りもよくたちやすい。
なんて優雅なひと時。
交換しようとした時
彼:「洗うの手間だから」
旦那が今までお茶を飲んでいた湯のみに
ティーポットから紅茶を少し注いで飲み込む。
きれいになったと思われる湯のみを差し出して言う。
彼:「これに注いで。共洗いしたから大丈夫だよ」
私:「ともあらい……」
彼:「実験でよくやるよね」
私が紅茶を注ぐのをためらっていると
彼はティーポットからずんどうな湯のみへ紅茶を入れる。
そして美味しそうに飲み始める。
共洗い:化学実験において、分析などに用いる容器や器具が水に濡れている場合に、実験に使用する溶液ですすぐこと。中和滴定で使うピペットのように、分析対象の濃度に影響を与えないようにしたり、分析対象以外の物質の混入を防いだりするために行われる。